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  • 2020年3月26日

肩関節拘縮患者に対する考え方

 

いつもお世話になっています。
医療研究チームです。

 

突然ですが…

 

皆さんは、臨床で肩の可動域制限に
苦しんでいる患者さんを
治療したことはないでしょうか?

 

例えば、”五十肩”や”腱板断裂”など
肩の運動が制限された症例です。

 

今回は、そんな肩の問題でも
”肩の拘縮”に対してほんの一部ですが
お話しします。

そもそも
拘縮とは何か??

簡単に言うと
関節が動かせなくなった状態です。

 

例えば、骨折などで痛みが続き
動かす回数が減ったことで
筋肉の萎縮や柔軟性が低下した結果
動かすことができなくなります。

 

拘縮患者に関しては、
詳しく統計では出ていないですが、
麻痺や骨折など疾患を呈した人ほど
なりやすいと言われています。

 

そんな拘縮をどう評価するのか?

今回は、肩に注目してみたいと思います。

”肩の拘縮”が
胸郭に関係する

肩関節は、肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節、
肩鎖関節、胸鎖関節からなる
複合体で構成されています。

 

上腕骨および肩甲骨と胸郭との間には
解剖学的な筋を介した連結があるため、
肩関節の可動性と胸郭可動性が相互に
影響する可能性がある¹⁾と言われています。

肩の可動性↓ = 胸郭の可動性↓

 

肩の動きだけでなく、
筋・筋膜で連結している
”胸郭”の運動性も見る必要があります。

 

胸郭に関しては、
体幹の回旋角度や側屈など
簡単な評価で大丈夫です。

 

正常よりもどちらが制限されているか?

 

それだけを確認しても
その人の姿勢の傾向をつかむことができます。

 

では、評価が終われば
実際にどう治療に結びつけるのか?

肩の拘縮に対する
治療の考え方

関節拘縮に対する治療は、
”安定した関節”の再獲得
最大のポイントです。

 

これに関しては、
関節可動域制限が生じず
適切な筋力がある

 

と言う解釈で大丈夫です。

 

肩関節周囲には様々な種類の
感覚受容器が存在しています。

 

その中でも疼痛を感じ取るのは、
”自由神経終末”であり²⁾、肩関節では
”肩峰下滑液包”において豊富に存在すると言われています。

肩の拘縮を
”見分ける”方法

肩関節の運動障害も
”2種類”のパターンに分けれらます。

 

一つ目は、”拘縮性運動障害”です。

 

これは、肩の関節運動の際に
組織の伸張性が欠如し、組織の滑走性が障害
されることが特徴です。

 

これに対しては、肩関節の伸張性と滑走性を
改善することが第一目的です。

 

そのため、僕たちがお伝えしている
筋・筋膜を使った治療法が
効果を発揮します。

 

二つ目は、”疼痛性運動障害”です。

 

これは、腱板、肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱などが
炎症を基盤として発症し、疼痛により運動が
制限された状態³⁾を言います。

 

炎症があるため、侵害受容器の閾値は低いです。

 

そのため、運動による疼痛が引き起こされ、
運動制限に繋がるのが特徴です。

 

例えば、肩関節周囲炎の急性期でよくみられます。

 

この場合は、僕たちセラピストが
可動域訓練や組織の伸張性を改善しても
効果はあまり得られません。

 

実際の治療としては、
薬物療法注射などを介して
炎症を抑えることが重要視されています。

 

ですが、この炎症期でも
私たちが伝えている筋・筋膜のつながり
利用すれば治療として症状を
緩和させることができます。

 

基底張力が高密度化の形成によって変性すると、
神経受容体がこの異常な伸張に反応し、疼痛信号によって
潜在的危険を知らせる⁴⁾と言われています。

 

つまり、炎症→組織が硬度→疼痛+という
悪循環に繋がる可能性が高いです。

そのため、僕たちが行えるのは
組織の硬度に対して、離れた組織から
筋・筋膜系の治療を行えば疼痛が軽減し
運動障害が改善すると考えています。

 

広義の筋膜組織は、関節包や腱膜、
臓器包や靭帯、腱も含んでいて、
筋膜組織においても1つの相互接続した
緊張したネットワークと言えわれています⁴⁾。

 

例えば、炎症により腱板筋群が硬くなれば
それを補うように僧帽筋が過剰に収縮します。

 

そのため、僧帽筋を治療し、
相対的に腱板筋群を緩めて
疼痛緩和に繋げるテクニックです。

 

この手法を学ぶだけでも
効果が発揮できるため
ぜひ試してみてください。

 

次にお話しするのは、
私たちが実際に行った治療方法です。

 

参考になると思うので是非みて下さい!

 

==================

 

今回、60歳代女性の方を治療しました。

この方は、肩が上がらない、痛みが出る
そんな訴えがあり治療を受けられました。

 

この症例は
一体どうなっているのでしょうか?

最大の問題は、
肩の運動が制限=組織が硬くなっている
と言うことです。

 

では、一体どこを見るのか??

肩の拘縮治療は
”胸の筋肉”を見る

 

なぜ胸の筋肉なのか?

 

ほとんどの症例では、
肩の痛みや可動域制限の原因として
前方組織が硬くなる傾向があります。

 

これに関しては、摩擦ストレスや
腱の滑走性障害などあらゆる問題が
起きやすいと考えられています。

 

そのため、まずは胸の筋肉
特に”小胸筋”を見ることをお勧めします。

治療としては、
小胸筋鎖骨胸筋筋膜を使います。

 

小胸筋の作用は、肩甲骨の下制前傾です。

 

また、特徴的な運動として、菱形筋や肩甲挙筋
との協調運動により、肩甲骨の下方回旋運動に関与します。

 

小胸筋は、烏口突起から遠位2〜3横指の範囲で圧痛が強く、
筋攣縮や筋短縮が認められます。

 

そのため、治療としてはこの場所を使います。

 

患者は① 仰臥位あるいは座位にします。

 

治療対象として、② 烏口突起周辺を軽く触診します。

 

肩関節拘縮患者では、烏口突起に付着する烏口上腕靭帯などが
過緊張し、肩の可動域制限に繋がるため。

 

もう片方の手で ③ 烏口突起から遠位2〜3横指の範囲を
触診し軽く振動刺激を加えます。

 

②、③の圧痛がなくなれば治療完了です。

 

鎖骨胸筋筋膜は、大胸筋の下に位置し、
小胸筋を覆って上外側方に向かって
付着しています。

 

この鎖骨胸筋筋膜は、
強靭な烏口鎖骨靭帯によって
補強され、血管・神経を通る孔を
形成している。

 

相対的に、小胸筋を治療すれば
鎖骨胸筋筋膜も緩みますが
両者とも大切なポイントであるたm
チェックが必要です。

 

鎖骨胸筋筋膜の過剰な短縮は、
呼吸パターン変化や頭頸部の異常姿勢とともに
上向きに手を伸ばす際の肩と上肢の機能に
悪影響を及ぼす可能性があります⁵⁾。

そのため、肩の可動域制限では、
鎖骨胸筋筋膜の伸張性を改善させる必要も
考えられます。

 

※小胸筋は、鎖骨胸筋筋膜の深部にあるため、
触るのは難しい!間接的に大胸筋の深層を
伸張させているので効果は期待できます。

 

結果として、肩の可動域は改善され
疼痛もなくスムーズに上げることができるようになりました。

==========================

最後に

肩の拘縮について今回話しましたが、
ほんの一部のことだと言うことを
覚えておいて下さい。

 

細かい治療法や評価については
また別の記事でも記載します。

 

拘縮に関しては、一度では改善するケースは稀です。

 

粘り強く治療し、今どういう状態なのか?を
見極めることも大切なスキルです。

 

諦めず治療していきましょう!

 

ー医療研究チーム

参考文献

1)片桐健一,他:肩関節拘縮を有する患者に対する運動療法が胸郭に与える影響,理学療法-臨床・研究・教育,第21巻第1号,2014,21:41-44.
2)Stacey MJ:Orthopaedic and Sports Physical Therapy.CV Mosby CO,St.Louis,vol2,1985,pp50-64.
3)林典雄:五十肩における疼痛の解釈と運動療法.関節外科30(11):26-32,2011.
4)竹井仁:姿勢の評価と治療アプローチ,脊髄外科,VOL.27 NO.2,2013.
5)Thomas W Myers:アナトミートレイン-徒手運動療法のための筋筋膜経線-,第3版,医学書院,2016,pp172-178.
6)近藤康隆,他:拘縮の治療に温熱療法と運動療法の併用は有効か?,第42回日本理学療法学術大会,2007.
7)今宮尚志,他:関節拘縮の発生抑制における自動運動の効果-ラットにおける実験的研究-,理学療法学,20(4):279-282,2005.

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