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  • 2020年6月18日

頸椎症に対しての考え方

 

 

突然ですが、
あなたは”頸椎症”をご存知ですか?

 

実は、日本の頸椎症の有病率は、
20%以上と言われています。

 

この数値を見て皆さんはどう思いますか?

 

セラピストであれば
誰もが遭遇する疾患の一つと言われています。

 

ですが、そもそも”頸椎”と聞いて
何を思い浮かべますか?

 

・首を保護している場所
・神経と動脈の走行場所
・人体で一番大切な場所

 

など色々と思い浮かべると思います。

 

では、あなたがセラピストであれば
本当にこの”頸椎”を分かった上で
治療を行っているのかが大切なポイントです。

 

今回、”頸椎症”はどんな病気か?
セラピストに何ができるのか?

 

この二つを知っていただきたいです。

 

難しいとは思いますが
知って得する情報なので
ぜひ、最後まで読んでください。

 

”頸椎症”を
理解するポイント

 

まず、本題に入る前に
頸椎症を理解する上でのポイントについて
お話しします。

 

結論からお伝えすると
”解剖学を知る”これに尽きると思います。

 

抽象的な話であるため
もっと詳しく言うと

 

なぜ、頸椎症なったのか?
なぜ、麻痺が生じているのか?
なぜ、痛みが生じているのか?

など、疑問を生じることから
治療が始まります。

 

この疑問が生じると
自ずと解剖学を知る必要があります。

 

私たちセラピストは
医師とは違い、”治す”よりも
”楽に生活ができる”ように支援する
ことができるプロフェッショナルです。

 

そのため、
目の前の頸椎症に出くわして
「頸椎の圧迫を抑える」
「脊髄の神経を緩和させる」
など神の領域を考えては治療が進みません。

 

まずは”頸椎”は
どんな場所なのか?を
知る必要があります。

 

では、簡単に頸椎について
お話しします。

 

まず、”頸椎”は7つの椎骨からなり、
胸椎・腰椎の上に位置しています。

 

この7つの頸椎は、
下肢・骨盤帯・腰椎・胸椎などの土台の
影響を非常によく受けます

 

なぜかと言うと、
頸椎は、腰椎や胸椎などに比べて
”可動性”が非常に大きくかつ
ストレスが生じやすい場所だからです。

 

例えば、高齢者によく見られる
”円背姿勢”の方で考えてみます。

 

円背姿勢の方の特徴としては
”背中が丸い”つまり猫背の状態です。

 

解剖学的な観点で話すと
骨盤は後傾し、腰椎・胸椎は屈曲位
なります。

 

そのため、目線は下がり、
頭の重さが常に頸椎へ負担が
生じやすくなります。

 

さらに、頸椎は肩甲骨と筋性の密な連結があるため、
肩甲帯や上肢にも影響を受けやすいです。

 

このことからも
頸椎は非常に周りの影響を受けやすい
ことを覚えておいてください。

 

では、次に頸椎症の理解を深めていきましょう。

 

頸椎症とは
どんな病気か?

 

頸椎の加齢性変化を基盤として
椎間板や椎骨が変性することで
脊柱管や椎間孔が狭くなる状態です。

 

その結果、脊髄が圧迫を受けることに
よって発症する疾患です。

 

圧迫の受け方は大きく”2種類”存在します。

 

脊髄そのものを圧迫する
”頸椎症性脊髄症”

 

神経根を圧迫する
”頸椎症性神経根症”です。

 

例えば、前者の場合、
主に”脊髄”が圧迫されます。

 

脊髄は、脳から尾骨まで
太く長い神経(脊髄神経)が
位置します。

 

当然、頸椎の場所で脊髄神経が圧迫されると
上肢だけでなく、下肢などにも影響を受けやすいです。

 

しかし、後者に関しては、
頸椎の場所から生じた神経根が圧迫されるため
下肢に影響は生じず、上肢が中心となります。

 

この二つの違いを
まずは覚えておきましょう。

 

では次に、
なぜ頸椎症になるのか?

 

これについてお話しします。

 

頸椎症の
原因はなに?

 

先ほどもお伝えしたように
頸椎は非常にストレスが生じやすい
場所です。

 

また、解剖学的な特徴として
椎骨をクッションとしている
椎間板は年齢とともに変性し
水分が失われて弾力がなくなったり
亀裂が生じたりします。

 

頸椎は胸椎や腰椎に比べると
運動範囲や頻度が多いため、
これらの変性が進行しやすいです。

 

さらに、変性が進むと、
椎体の縁に骨棘が生じたり、
靭帯が肥厚するケースが見られます。

 

最近では、パソコンやスマートフォンなど
頸椎の負担が増える作業が多いです。

 

これらの姿勢が長期的に続くことによっても
頸椎の変性は進むと言われています。

 

また、日本人の場合は、欧米人と比べて
脊柱管の幅がもともと狭いと言われているため
さらに注意が必要かと思います。

 

頸椎症はどんな症状?

 

全体的な症状としては、
頸部や背部の痛みに加えて、
上肢の痛みや痺れ、感覚・筋力低下が生じます。

 

最も見られる頸髄の障害の
特徴的な徴候として、
手指巧緻運動障害があります。

 

症状の進行とともに
指先の感覚が鈍くなってくると
ボタンをはめたり、お箸を使うなどの動作が
難しくなります。

 

初期は、指先の痺れから始まることが多く、
徐々に痺れの範囲は広がっていきます。

 

他にも、歩行障害や自律神経障害、膀胱直腸障害など
それぞれの病態に応じて変化します。

 

頸椎症に対する
治療法とは?

 

基本的には、
”保存療法”が選択されるケースが多いです。

 

歩行障害、手指の巧緻運動障害が
進行する場合や、排尿障害などの脊髄症状が
重度の場合は手術適応となります。

 

<装具療法>

 

関節の運動を保持することや
変形防止などを目的に頸椎カラーなどを
使用します。

 

頸椎は非常に運動に欠かせないため
無意識に動かすことを防ぐ上でも
重要だと思います。

 

<薬物療法>

 

多くの場合、痛み止めとして
まず非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が
主に用いられます。

 

また、痺れや発作的に生じる鋭い痛みなどの
神経の痛みに対しては「神経障害性疼痛治療薬」
などを使用します。

 

薬物に関しては、症状の程度によります。

 

全ての人が必ず適応するかは
定かではありません。

 

これを聞いていくと
「セラピストの出番はない?」
と思われると思います。

 

しかし、現代医学の盲点として
考えられるのは、二次的な疼痛を
ほぼ無視していると言うことです。

 

これについて詳しく
お話しします。

 

筋・筋膜と
頸椎症の関係

 

近年、”筋筋膜性疼痛症候群”と言う言葉を
よく耳にすることが増えました。

 

これは、筋硬結とトリガーポイントを
特徴とした筋由来の痛みと考えられています。

 

トリガーポイントは、
骨格筋または筋膜の硬結に存在する
極めて敏感性の高い部分、圧迫されると痛みが生じ、
関連痛や自律神経症状を引き起こす部位と定義されています。

 

前半でもお伝えしたように
「なぜ、頸椎症になるのか?」
この疑問を考える必要があります。

 

必ず、頸椎症には、
”姿勢”が関与します。

 

この姿勢に対して、
どこが負担となっているのか?

 

を考えるだけでも一部の場所で代償している
ケースを見つけ出すことができます。

 

そのため、頸椎症は
「そのまま放置すれば良くなる」
考えではなく、

 

「負担となる場所を解消すれば改善する」
考えを持てば、改善しないといけない
病気に変わります。

 

例え手術をしたとしても、
根本的な生活や姿勢を変えないと
元どおりの状態になりやすいです。

 

頸椎症をセラピストが治療することは
頚椎の状態をもとに戻すのではなく
その原因となっている因子を見つけ出し
治療を行うことです。

 

結果として、頚椎症が改善されると言う
考えの方がより現実的かと思います。

 

では、ここで
私たちが実際に行った症例に対して
お伝えします。

 

======================

 

40歳代女性。

 

もともと肩こりがあった
Aさんは、首の違和感や痛みに関しても
いつもと同じだと考えていました。

 

ですが、日に日にます
上肢の痺れと頸部痛に悩まされ
Aさんは、病院へ行くことにしました。

 

直ぐにレントゲンを撮ると
大きな頸椎の狭小化や靭帯の肥厚は
認められない結果となりました。

 

医師からは
「安静にしておいて下さい」
と言われるだけで痛み止めの薬だけ
処方されています。

 

診断としては、
頸椎症と言われましたが
「そこまで気にすることはありません。
自然と治ります」と言われ
ほっとしました。

 

しかし、1ヶ月経っても
経過は良くならないため
再度病院へ行きました。

 

結果は前回と変わらず
安静を呼びかけられるだけです。

 

そこで、近くの整体院が
頸椎症を得意としている
ホームページを知っていたため
そこへ受診することにしました。

 

すると、
首も触らず疼痛がなくなり
痺れもだいぶ改善されました。

 

首の病気と言われたのですが
一体何が問題だったのか?を
先生に聞くと…

 

胸の筋肉が影響していると
言われました。

 

その後は、疼痛もなく
自主訓練をお伝えしてもらったことを
守って積極的に行うようにしています。

 

======================

 

では、どんな治療をここでは
行ってのでしょうか?

 

詳しくみていきましょう。

 

頸椎症に
対しての治療法

 

まず、頸椎症といっても
”姿勢”を見ることは先ほどお話ししました。

 

そこで、よく負担となりやすい
アナトミートレインを考えていきます。

 

ポイントは、
ディープ・フロント・アームライン(DFAL)
見ることです。

 

まずは、DFALについて簡単に説明します。

 

DFALは、母指から胸部前面までを安定させるラインです。

 

DFALは、小胸筋として
第3・4・5肋骨の前側部で起始します。

 

小胸筋は、鎖骨胸筋筋膜の深部にあります。

 

鎖骨胸筋筋膜は、
鎖骨から腋窩までの大胸筋の深部を走り、
小胸筋と鎖骨下筋の両方を含み、
この領域で神経血管束とリンパ組織と接続します。

 

正常な姿勢では、
近位DFALが短縮することにより、
烏口突起の下方偏位、肩甲骨の前傾が生じ、
円背姿勢に繋がりやすいです。

 

そのため、頸椎症の方では、
頭部が前方に引かれることによって
圧迫が生じやすいと言われています。

 

治療としては、頸椎症には
”小胸筋”が一番効果的な印象です。

 

まず、① 仰臥位姿勢(首を屈曲させた方が疼痛緩和しやすい)
なります。

 

② 片方の手で烏口突起を触診します。

 

③もう片方の手で母指内転筋を触診します。

 

治療としては、母指内転筋を伸張・リリースすることで
烏口突起周辺の筋肉が緩和することを感じます。

 

これだけでも上肢の重さや頸椎にかかる負担が軽減されます。

 

数ある治療の中の一つですが、
お手軽で自主訓練にも繋がりやすいので
ぜひ行ってみて下さい。

 

まとめ

 

・頸椎は非常に周りの影響を受けやすい

 

・頚椎症の治療はまず原因を見つける

 

・姿勢を見て筋・筋膜の関係を知る

 

このポイントを抑えれば
頚椎症に対する基本的な治療は可能です。

 

ぜひ、参考にしてみて下さい。

 

ー医療研究チーム

 

参考文献

1)安藤哲朗:頸椎症の診療,臨床神経学,52巻7号,2012.
2)古後晴基,他:筋硬度の定量化ならびに筋硬結における筋疼痛と筋硬度との関連性,理学療法学,25(1):41-44,2010.
3)田口徹:筋・筋膜性疼痛の生理・病態・治療,理学療法学,2018.
4)松原貴子,他:筋・筋膜性腰痛症の理学療法プログラム,理学療法,25(1):71-75,2008.
5)砥出勝雄:疼痛治療薬の基礎-痛みの基礎および新規疼痛ターゲット-,日薬理誌,128,321~325,2006.
6)柿崎藤泰:胸郭運動システムの再建法,ヒューマン・プレス,2018.

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