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  • 2020年6月25日

繊維筋痛症に対して何ができる?

 

 

突然ですが…

 

あなたは
”線維筋痛症”をご存知ですか?

 

この疾患について話をするとなると
簡単に「治せます」「大丈夫です」なんて
軽々しく言うのはやめて下さい。

 

あなたに
想像することができますか?

 

一日中”激しい痛み”が続くことを…

 

これは、全人口のわずか2%も満たない
人たちが実際に苦しんでいる事実です。

 

今回は、より多くの人に
この疾患について知ってほしい

 

セラピストの私たちも
何かできる手段がないか?

 

そういったことを考え
記載しています。

 

私たちができることは
なんだと思いますか…?

 

そもそも
線維筋痛症ってなに?

 

線維筋痛症とは、身体の広範な部位の慢性疼痛と
こわばりを主症状とし、解剖学的に明確な部位に
圧痛を認める以外、一般的臨床検査所見に異常がなく
疲労感、睡眠障害や抑うつ気分など
身体および精神・神経症状を伴い、
原因不明のリウマチ性疾患だと言われています¹⁾。

 

簡単にいうと、
全身的な慢性疼痛疾患であり、
全身に痛みが起こる病気です。

 

英語では、(Fribromyalgia:FM

 

Fibro=線維
myalgia=筋肉痛

 

と呼ばれています。

 

全身や広範囲が痛み、
またある部分だけが痛むことがあります。

 

その痛みは、軽度のものから激痛まであり、
耐え難い痛みであることが多いです。

 

痛みが強いと日常生活に支障を
きたすことが多く、重症化すると、
軽微の刺激(爪や髪への刺激、
湿度・温度の変化、音など)で激痛が走り、
自力での生活は困難になると
言われています。

 

1990年米国リウマチ学会(ACR)による
疾患概念の定義でFMあるいは線維筋痛症候群
(Fibromyalgia Syndrome;FMS)と呼ばれる
ようになりました²⁾。

 

また、FMの疼痛は侵害受容性の痛みではなく、
神経障害性疼痛ないし中枢性疼痛とされており、
いわゆる疼痛の中枢性感作が成立し、
中枢感作症候群(Central Sensitivity Syndrome:CSS)の
一つだと言われています。

 

※ 感作とは、繰り返しの刺激によって感じやすくなる状態

 

最近の研究では、
慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome;CFS)と
同様に、視床から大脳辺縁系を中心とした
脳内神経炎症(Neuroinflammation)による病態
だと推測されています³⁾。

 

いずれにしても
FMの特徴は”激しい疼痛”がある
ということを理解しておいて下さい。

 

では、どんな人が
この病気に苦しんでいるのでしょうか?

 

線維筋痛症の
疫学

 

有病率は、米国の一般人口2%
(女性3.4%、男性0.5%)と言われています。

 

一方、日本の有病率は
厚生労働省研究班(2005)の住民調査では
人口1.7%と推計されています⁴⁾。

 

この結果からしても
日本、海外ともに2%程度です。

 

性別は、女性に優位であり、
男女比では、男:女=1:4.8(欧米1:8~9)
言われています。

 

年齢は、小児期発症例もありますが、
平均年齢は51.5±16.9(11~84)歳で、
年齢とともに増加し、55~65歳代にピークを認めます。

 

ここで、覚えておいて欲しいことは、
女性に多く、若年層でも発症する疾患ということです。

 

線維筋痛症の
病態

 

FMの病因は不明です。

 

ほとんどの症例が
神経内分泌異常、神経成長因子の異常、
手術、精神ストレスによる知覚神経(C線維)の異常、
NK細胞の活性低下などがみられます。

 

最近、注目されているのは、
FMの疼痛は神経因性疼痛、中枢性疼痛であり、
疼痛の中枢性感作の成立であり、
FMを中枢性感作症候群(CSS)として捉えるものです。

 

すなわち、疼痛の上行伝達系の過剰興奮と
下行疼痛抑制系の機能低下などの
疼痛伝達経路のネットワーク障害によって、
疼痛過敏やアロディニアが成立しているとするものです。

 

アロディニア(Allodynia)とは、
通常では疼痛をもたらさない微小刺激が
全て疼痛としてとても痛く認識される
感覚異常のことです。

 

末梢神経でAδ線維とC線維の
疼痛閾値低下による静的アロディニア

Aβ線維における伝導路の変異による
動的アロディニアに分けられる。

 

静的アロディニアは、軽く圧迫しただけでも
痛む場合を指し、障害部位に限局する。

 

動的アロディニアは、指をなぞるような
刺激で痛みが生じる場合を指し、
障害部位に限局せず広範囲です。

 

線維筋痛症の
症状

 

中心症状は全身の広範な慢性疼痛と
解剖学的に明確な部位の圧痛です。

 

疼痛は体軸に集中する傾向があり、
びまん性のこわばりがしばしば伴い、
朝に悪化するなど関節リウマチ(RA)に類似します。

 

また、慢性痛であっても、日差・日内変動があり、
しかも激しい運動や不活動、睡眠不足、情緒的ストレス、
天候などの外的要因によって悪化することが多いです。

 

ビタミンDと
慢性疼痛の関係

 

ビダミンDと疼痛の関連が報告されています⁵⁾。

 

FMを含む慢性疼痛患者に
血清中ビタミンDの低下がみられ、
ビタミンDの補充療法でFMを含めた
慢性疼痛の軽減の報告もあります⁶⁾。

 

食事の管理やその人が何を食べているのか?

問診なども重要だと考えています。

 

線維筋痛症の
評価

 

ACRの基準が国際的に用いられており、
全身的な慢性(3ヶ月以上)疼痛に加えて、
解剖学的に定義化された身体の部位18ヶ所のうち
11カ所以上に圧痛点を確認することからなります。

 

2010年基準は以下の3項目からなります。

 

すなわち、
① 定義化された慢性疼痛の広がりが一定以上あり、かつ臨床徴候重症度スコアが言って以上あること
② 臨床徴候が診断時と同じレベルで3ヶ月間は持続すること
③ 慢性疼痛を説明できる他の疾患がないこと

 

この3項目を満たす場合に線維筋痛症と診断されます。

 

線維筋痛症の
治療

 

一番大切なことは、
患者・家族にFMを認識・受容し、
睡眠の調整・適正な有酸素運動を行い、
支援することです。

 

薬物療法としては、
抗うつ薬、抗痙攣薬(抗てんかん薬)が主体だと言われています。

 

では、実際に徒手治療はどうなのか?

 

海外では、比較的有酸素運動が
エビデンスが高く推奨度Aと言われています。

 

また、こわばりなどを主症状とした
症例においては、リラクゼーションや筋・筋膜治療など
痛みが伴わない範囲での治療が適していると考えられています。

 

では、実際に私たちが治療を行った症例を踏まえ

考えていきましょう。

 

==================

 

40歳代男性

 

10年以上のうつ病を罹患し、
数年前に全身の痛みが発生しました。

 

医師へ相談すると
”繊維筋痛症”と診断を受け、
的確な治療法はないと言われました。

 

服を着ているだけでも全身に痺れと
痛みが走り、現在は線維筋痛症の症状で
休職をしています。

 

うつ病は落ち着いても
また別の疾患で苦しむことになり
さらにメンタルが落ち込んでいます。

 

あまりにも痛みが変わらず
毎日眠れない日々が続いたため、
友人の紹介で近くの整体へ行きました。

 

訪問した理由は、
「痛みを取り除きたい」
ではなく「少しでも紛らわせたい」
この思いで通うことに決めました。

 

整体の先生からは、
細かく問診を受け、自分の悩んでいることを
隅々まで聞いてくれて
とても安心することができました。

 

先生からは、確かに治療の確率はされてないが、
自分達にも何かできると治療を引き受けてくれました。

 

その言葉を頼りに
2週間に2回の治療を受けることにしました。

 

最初は、触られただけでも激痛が走り
1回の治療で耐え難く感じましたが、
2回目からは驚くことに少し落ち着いていました。

 

回数を重ねるにつれ、
触られた時の痛みは軽減し、
同時に静止時での疼痛も半減ぐらいに落ち込みました。

 

今でも治療に通っていますが
自分の身体と向き合っていこうと思います。

 

======================

 

この方に対して行った治療としては、

 

① 問診(環境、性格、習慣など)

② 評価(姿勢、疼痛部位、動作)

③ 治療(筋・筋膜治療)→有酸素運動は一部

 

開始当初は、触られることに対して
疼痛の訴えが強かったため、
①を中心的に実施しました。

 

関係性が築かれた中で徐々に③へ移行します。

 

今回行った治療では、肩甲骨周囲の
筋・筋膜治療が有効だと感じました。

 

特にこわばりが強い症例においては
肩甲骨の挙上・外転位が強く、
呼吸訓練を交えつつ、筋・筋膜の調整を
行うと疼痛軽減に繋がっています。

 

FM症例においては、
どの治療が正しいのか?有効なのか?
的確にお伝えすることができません。

 

しかし、今回の症例を踏まえ感じたことは
明らかに徒手治療に効果がある
実感しました。

 

より具体的に提示できるよう
症例を踏まえ、学んでいきます。

 

まとめ

 

・線維筋痛症(FM)は、
臨床的所見に異常がないにも関わらず、
慢性的な疼痛が持続する疾患。

 

・根本的な治療は確立されていないが
徒手治療は効果が期待される。

 

まだまだ、解明されていない病気は
とても多いですが、自分たちができることを
模索して臨床に取り組んでください。

 

今回の記事もあなたにとって

有益な情報であれば幸いです。

 

一緒に頑張っていきましょう。

 

ー医療研究チーム

 

参考文献

1)松本美富士:膠原病・類縁疾患に伴う神経・筋障害の診断と治療.機能性リウマチ性疾患:線維筋痛症,日内会誌,99:1837-1844,2010.
2)Wolfe F, et al:The American College of Rheumatology 1990 Criteria for the Classification of Fibromyalgia.Report of the Multicenter Criteria Committee.Arthritis Rheum,33:160-172,1990.
3)Littlejohn G:Neurogenic neuroinflammation in fibromyalgia and complex regional syndrome.Nat Rev Rheumatol,2015 Aug4.doi:10.1038/nrrheum.2015.
4)松本美富士,他:本邦線維筋痛症の臨床疫学像(全国疫学調査の結果から).臨床リウマチ,18:87-92,2006.
5)Von Kanel R, et al;Vitamin D and central hypersensitivity in patients with chronic pain,Pain Med, 15:1609-1618,2014.
6)Wepner F, et al:Effects of vitamin D on patients with fibromyalgia syndrome ; a randomized placebo-controlled trial.Pain,155:261-268,2014.
7)古後晴基,他:筋硬度の定量化ならびに筋硬結における筋疼痛と筋硬度との関連性,理学療法学,25(1):41-44,2010.

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