- 2018年2月26日
膝蓋上囊のリリーステクニック
from 脇本竜次
治療院のデスクから、、、
https://www.youtube.com/watch?v=SdmXsP3leEw&feature=youtu.be
<膝の痛みの原因とは?>
X線の変化の大きさは痛みと相関しないと言われています。
なので、画像診断を行なっても痛みの原因はわかりません。
変形性膝関節症でいうと変形の程度はわかりますが、その変形があるからといって、そのせいで痛みがあるとは言い切れない可能性があります。
我々は変形を治すことはできません。ですが、変形は痛みの根本原因ではない可能性があります。
ではどこに痛みの原因があるのでしょうか?
<結合組織と痛み>
結合組織とは筋膜、皮膚、脂肪体、支帯、腱、靭帯、関節包、骨膜、骨間膜、神経上膜、神経周膜、血管の周囲を結合させている組織のことです。
つまり、筋線維などの組織実質ではなく、その周囲の結合させている組織のことを結合組織と言います。
これら結合組織が硬くなると、組織間の滑走性が低下します。
滑走性の低下とは痛みに非常に影響していると言われています。
結合組織が硬くなり滑走性が低下すると、組織の間質液の流れが悪くなり、虚血状態となって発痛物質が生じて来ます。
なので、痛みに対して結合組織を治療していくという観点が非常に重要である可能性があります。
<超音波診断装置による組織の評価>
近年、超音波診断装置の発達によって、より簡便に組織の動態が観察できます。
リアルタイムに組織の状態を観れるので、何が問題となっているのかがより明確にわかります。
<膝蓋上囊の評価>
膝蓋上囊の引き上げ操作と言われる検査があります。
膝伸展位で膝蓋上囊の上方をつまんで、引き上げることによって正常な状態であれば、膝蓋上囊が開大しますが、癒着が起こっている状態であれば開大はしません。
なので、この評価をしていただいて膝蓋上囊の状態を評価していただければと思います。
<直接刺激でなく間接刺激>
痛みを伴わない接触や圧刺激により誘発される反射は皮膚反射 (cutaneous reflex)と呼ばれるものがあります。
同側肢の伸筋および屈筋 ・同側肢の伸筋および屈筋 群ならびに対側肢を含めた多くの筋群に興奮性変化が生じ、効果的に障害物を回避するなどの機能的な反射運動が観察されます。1)2)
そのため、Fascia連関のある部位に対し刺激を入力することにより、効率的に組織の治療ができる可能性があります。
なので、より効率的に組織を弛緩していくために間接的に振動刺激を用いて組織を治療していく方法が有効かと考えます。
<膝蓋上囊と大腿四頭筋>
膝蓋上囊を直接刺激して治療するのではなく、膝蓋上囊と結合組織で連関している大腿四頭筋(下前腸骨棘から2横指下)の部位に対し振動刺激を入力し治療を行なっていきます。
<やっていただきたいこと>
①膝蓋上囊の解剖図を確認
②エコーで膝蓋上囊を確認(引き上げ検査)
③膝蓋上囊に圧迫を加えて痛みがある動作をしてもらう(疼痛誘発動作)
④痛みが軽減すれば、その部位の治療
<まとめ>
膝蓋上囊の治療には、大腿四頭筋を用いる。
<参考文献>
1) urke D, Dickson HG, Skuse F: Task dependent
changes in the responses to low threshold cutaneous afferent volleys in the human lower limb. Physiol, 432: 445 458, 1991.
2) ehr EP, Duysens : egulation of arm and
leg movement during human locomotion. euroscientist, 10 (4) : 347 361, 2004.
動画はこちら
↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=SdmXsP3leEw&feature=youtu.be
最後までブログをご覧いただきありがとうございました。
臨床研究部門
ー脇本竜次
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著者
臨床研究部門
『慢性疼痛の治療方法の確立と証明』そのために今ある技術をより体系化していき、科学的な根拠のある技術にしていきます。当協会の評価・治療テクニックを用いることで、人体にどのようなことが起こっているのかを解き明かしていきます。
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